10、会社設立の際に資本金の払込金保管証明をもらわなくていい
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マサル:先日勤めていた会社を退職し、今は自分の会社設立に向けて準備中。
A教授:かつてのマサルの恩師。会社設立についてとても詳しい。 |
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<< ポイント >>
新会社法では会社設立の際、金融機関の『資本金払込保管証明書』は原則不要となりました。
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A:会社を設立するにあたり資本金が必要なのは前にも話したが、
ただ資本金として提示した額のお金が本当に用意してあるのかどうかまではわからないのう。
ようするに見せかけだけのお金かもしれないということじゃな。
そこで旧商法では銀行などの金融機関に資本金を預けることで「払込金保管証明書」を
発行してもらい、それを会社設立の際の添付書類にすることによって証明していたのじゃ。
しかしこの「払込金保管証明制度」はかねてよりいろいろ問題があったのじゃ。
マ:何ですか?その問題って。
A:要するに手続きがメンドクサイんじゃよ。
たとえば一度払い込みをしてしまうと登記申請が完了するまでその資本金を引き出すことができなかったので、
場合によっては数週間もの間ずっとお金を引き出せなくて、一番お金を必要とする創業時に資本金を使えないという不便さがあったのじゃ。
この制度のおかげで「資本金は一度払い込むと二度と戻ってこない」といったような錯覚を起こす人も多かったほどじゃ。
また金融機関にとっても「払込手続き事務」というのは正直仕事としてあまり「うま味」がないのでなかなか払い込みを引き受けて
くれなかったのじゃ。中には高い手数料を取る銀行まであるくらいじゃった。
一方払い込みをする側からも、「なかなか払込を受付けてもらえない」や「資本金を預けるだけなのになぜ金融機関に高い手数料を
払わなければいけないの?」など不満が多くてみんなから不評だったわけじゃよ。
マ:それで今回の法改正からはなくしたということですね。じゃ今はどうやって資本金が払い込まれたことを証明するのですか?
A:資本金がちゃんと銀行口座に払い込まれたことを証明するもの、つまり
「預金通帳のコピー」でいいということじゃ。
しかも資本金を預けたことを証明できるコピーさえ取っていればあとは自由に資本金を引き出すことができる。
つまり今までのように設立登記が終了するまでの間ずっと資本金を使うことができない、という不便さがなくなったこともうれしいのう。
マ:じゃあ今までのように金融機関に出向いて高い手数料を払って払込証明書をとらなくてもいいんですね。
A:そういうことじゃ。ただしひとつ例外がある。会社の株式を不特定多数の人から募集することによって設立する場合、
いわゆる「募集設立」のときは、これまでどおり銀行など金融機関が発行する「払込金保管証明書」が必要なので、これは注意が必要じゃ。
それでは新会社法の変更点の説明はこのくらいにして、次回からはいよいよ会社設立の具体的な手続きに入っていくことにしよう。
資本金を金融機関に預けたことの証明は「個人の預金通帳の預金残高のコピー」でできます。
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