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14、定款の作成(3)〜実際に定款をつくってみよう〜

新会社法で定款を作るときのサンプルをご紹介します。

マサル:先日勤めていた会社を退職し、今は自分の会社設立に向けて準備中。
A教授:かつてのマサルの恩師。会社設立についてとても詳しい。


<< ポイント >>
新会社法で定款を作るときのサンプルをご紹介します。


A:では定款の書式とはどういったものか見てみよう。会社の定款とはその会社によって 中身がそれぞれ違ってくるので、あくまで見本ということになる。

たとえば定款の認証を行う公証人の連合会のホームページにいろんなケースにあわせた定款例を 見本として掲載しているので、一度どういうものかみておこうか。


▼定款記載例(公証人連合会ホームページ)

http://www.koshonin.gr.jp/ti.html


マ:へぇ〜。一口に定款といっても会社の機関が違うことでずいぶん中身がちがってくるんですね。

A:そうじゃな。世の中には大会社から中小の会社までさまざまな株式会社があるからのう。

もちろんこれでなくても定款の記載例を紹介したホームページもあるので自分でいろいろ調べて おくといい。

じゃこれで定款とはどういったものかだいたい分かったじゃろうから、実際にマサル君の会社の定款を つくってみようか。

マ:うわあ、なんだかムズカシソウだなあ。

A:こういうものは実際に書いてみないとわからないからな。書いてからあ〜これはこういう意味だったんだ、 とわかることだってでてくる。まずは自分でやってみることじゃな。

とはいっても不安じゃろうから、わたしが以前に実際に作ったやつがあるので、それをもとに書いていくことにしよう。


★定款のサンプル

株式会社アップル  定款



第1章  総則


第1条(商号) 当会社は、株式会社アップル と称する。

第2条(目的) 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。

1.広告代理業
2.ホームページ作成および管理に関する業務
3.前各号に附帯する一切の業務

第3条(本店の所在地) 当会社は、東京都千代田区に置く。

第4条(公告の方法) 当会社の公告は、官報に掲載してする。


第2章  株式


第5条(発行可能株式総数) 当会社の発行可能株式総数は、1,000株とする

第6条(株券の不発行) 当会社は、株券を発行しない。

第7条(株式の譲渡制限) 当会社の株式を譲渡により取得することについて当会社の承認を要する。 当会社の株主が当会社の株式を譲渡により取得する場合においては当会社が承認したものとみなす。

第8条(相続人等に対する株式の売渡請求) 当会社は、相続その他の一般承継により当会社の株式を取得した者に対し、 当該株式を当会社に売り渡すことを請求できる。

第9条(名義書換) 当会社の株式取得者が株主名簿記載事項を株主名簿に記載または記録するには、当会社所定の書式による請求書に、 その取得した株式の株主として株主名簿に記載または記録された者またはその相続人その他の一般承継人および株式取得者が 署名または記名押印して請求しなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令に定める場合には、 株式取得者が単独で株主名簿記載事項を株主名簿に記載または記録することを請求することができる。

第10条(質権の登録および信託財産の表示) 当会社の株式につき質権の登録または信託財産の表示を請求するには、 当会社所定の書式による請求書に当事者が記名押印し請求しなければならない。その登録または表示の抹消についても同様とする。

第11条(手数料) 前2条に定める請求をする場合には、当会社所定の手数料を支払わなければならない。

第12条(基準日) 当会社は、毎事業年度末日の最終の株主名簿に記載された議決権を有する株主をもって、 その事業年度の定時株主総会において権利を行使すべき株主とする。

2 前項のほか、株主または質権者として権利を行使すべき者を確定するため必要がある場合には、臨時に基準日を定めることができる。 その場合には、その日を2週間前までに公告するものとする。


第3章  株主総会


第13条(株主総会) 当会社の株主総会は、定時総会および臨時総会とし、定時総会は毎事業年度終了後3か月以内にこれを開催し、 臨時総会は必要に応じて開催するものとする。

第14条(株主総会の招集およびその通知) 株主総会は、代表取締役がこれを招集する。

2 株主総会を招集するには、会日より5日前に、各株主に対してその通知を発することを要する。

第15条(議長) 株主総会の議長は、代表取締役がこれにあたり、社長に事故があるときは、その総会で議長を選任する。

第16条(決議の方法) 株主総会の決議は、法令または定款に別段の定めがある場合のほか、出席した株主の議決権の過半数をもって決する。

2 会社法309条第2項の定めによる株主総会の決議は、総株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、 その議決権の3分の2以上をもって行う。

第17条(議決権) 各株主は、1株につき1個の議決権を有する。

第18条(議事録) 株主総会における議事の経過の要領およびその結果ならびにその他の法務省令に定める事項については、 これを議事録に記載または記録し、議長および出席した取締役がこれに署名もしくは記名押印または電子署名し、 10年間当会社の本店に備え置くものとする。


第4章  役員


第19条(役員の員数) 当会社は、取締役を1名以上置く。監査役は当分の間置かない。

第20条(選任の方法) 当会社の取締役は、当会社の株主中より株主総会において選任する。 ただし、必要があるときは株主以外の者から選任することを妨げない。

第21条(代表取締役) 当会社を代表する者は代表取締役とし、代表取締役は取締役の互選により定めるものとする。

2 当会社の取締役の選任については、累積投票によらないものとする。

第22条(取締役の任期) 取締役の任期は、選任後10年以内に終了する最終の事業年度に関する定時株主総会の終結時までとする。

第23条(役員報酬) 取締役の報酬は、株主総会の決議をもって定める。


第5章  計算


第24条(事業年度) 当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までの年1期とする。

第25条(剰余金の配当) 株主に対する剰余金の配当は、毎事業年度の末日現在の株主に配当するものとする。

第26条(剰余金の配当等の除斥期間) 当会社が、株主に対し剰余金の支払いを提供してから満3年を経過したときは、 当会社はその支払いの義務を免れるものとする。


第6章  附則


第27条(設立の際に発行する株式の数) 当会社の設立時発行株式の数は10株、その発行価額は1株につき金1万円とする。

第28条(設立に際して出資される財産の価額又は最低額) 当会社の設立に際して出資される財産の価額は、金10万円とする。

第29条(最初の事業年度) 当会社の最初の事業年度は、当会社成立の日から平成○○年3月31日までとする。

第30条(設立時取締役) 当会社の設立時取締役は、次のとおりとする。 設立時取締役  羽田 マサル

第31条(発起人の氏名、住所、割当を受ける株式数及びその払込金額) 発起人の氏名、住所、発起人が割当を受ける株式数及び その払込金額、次のとおりである。

東京都文京区〇〇町〇丁目〇〇番〇〇号
羽田 マサル  10株  金10万円

第32条(法令の準拠) この定款に定めのない事項は、すべて会社法その他の法令によるものとする。


以上、株式会社アップル設立のため、本定款を作成し、定款作成者はこれに記名押印する。

平成○○年△月××日

株式会社アップル

発起人  羽田 マサル

A:これは取締役が一人の場合の作成例で、これがもっと大きい会社になれば取締役会や監査役、委員会、会計参与なども機関に 加わることになるが、基本としてはだいたいこんな感じになるのう。

もちろん会社によって機関設計など細かい部分は違ってくるので、その点については自分で考えて定款に盛り込むようにして おくようにしよう。

マ:でもボクひとりの会社なのにこんなに規定しなくちゃいけないものなんですか?だいたい株主総会を開くっていったって 株主はボクしかいないじゃないですか。

A:もちろんその通りじゃが、これにはちゃんと理由がある。

会社というのは時間がたつにつれてその形は変わってくるのじゃ。その都度定款を改正することは大変面倒じゃな。その時に備えて あらかじめ最初に記載しておくべきものを記載しておけば、あとで定款を変えなくてもよいのでラクというわけじゃ。

またたとえば取締役の任期については定款で「10年とする」としておけば本来は「2年」であるところを「10年」まで延長できる。 このように定款で決めておくことで従来の規定を緩和させることだってできるのじゃな。だから最初でちゃんとした定款を作って おくべきだといえるんじゃ。

マ:う〜ん一口に「定款を作る」といってもなかなか奥が深いんですね。

A:もし定款の作成に不安を覚えるのなら、専門家に定款の作成だけお願いするという手もある。その方が間違いが起こりにくいし、 ちゃんとその会社向けにカスタマイズしてくれるので安心じゃ。

それとあわせて電子定款にしてもらうと、定款の認証のとき印紙手数料の「4万円」がかからないので、ぜひ定款を作ってもらうときは そうした電子定款に対応したところを頼むようにしたらいいと思うぞ。

定款をつくるときは、自分の会社設計にあわせたものを作ることが大切です。


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